ピロリ菌について
- 2021年7月7日
- ピロリ菌
皆さん、「ピロリ菌」という言葉を耳にしたことはありますか?
テレビなどでなんとなく聞いたことあるけど実際よくわからない、という方が多いのではないでしょうか。
ピロリ菌がメディア等でも取り上げられ、問題になっているのは、ピロリ菌が胃がんの原因になるためです。胃がんの原因の99%はピロリ菌と言われています。
ピロリ菌は、井戸水や土壌にいる細菌です。
どのようにして感染するかについては、まだはっきりとは分かっていないところもありますが、次の2つが主な感染経路と考えられています。
①ピロリ菌に汚染された水を飲むこと
②ピロリ菌に感染している親などから子供への食べ物の口移し
上記①については、近年衛生環境が整ったことにより、若い世代の感染率は下がっています。しかし50歳以上の方の感染率は50〜80%で、高齢者ほど高率です。2013年から、ピロリ菌に対する検査や治療については、『慢性胃炎』という診断がつけば、保険が適用されるようになりました。2013年からの3年間で約500万人がピロリ菌を除菌したといわれており、合計でざっと1,500万人くらいが除菌した計算になります。ただ現在ピロリ菌感染者は3,500万人と推定されていますのでまだ未除菌の方がたくさんいる可能性があります。
ピロリ菌は5歳ぐらいまでの免疫力が十分ではない時期に感染します。そして、その後何十年も胃の中に生息し続けます。大人になってから感染する可能性は0ではありませんが、基本的には少なく、あったとしても治癒すると考えられています。
先ほどお伝えしましたがピロリ菌が問題になっているのは、ピロリ菌が胃がんの原因になるからです。胃がんの原因の99%はピロリ菌です。また、胃炎の程度や年齢によっても異なりますが10年間での胃癌の発生率はピロリ菌のいる方でおよそ3%と考えられています。3%を多いと考えるか少ないと考えるかは人それぞれと思いますが、ピロリ菌を除菌することで、胃がんの発生率を3分の1に抑えることができたという報告もあります。
胃炎のダメージも考慮し、ピロリ菌がいると分かった方は、除菌治療を受けることをおすすめします。