逆流性食道炎について
- 2021年8月9日
- 逆流性食道炎
最近食後に胸やけするな、年齢のせいかな、何を食べても大丈夫だったのになと思うことはありませんか。(私は最近ちょくちょくあります…)
原因としてよくあるのが逆流性食道炎です。胃のなかの胃液に含まれる胃酸が食道へ逆流し、食道の粘膜がただれ、炎症を起こすことで胸やけなどの症状を生じます。
食道と胃の境目には下部食道括約筋というリング状の筋肉があります。これは普段はぎゅっとしまっており、胃から食道への胃酸や食べ物の逆流を防いでいます。
ひとたび食物が口から嚥下されると、それに伴い食道に蠕動が生じ、その波にタイミングを合わせるようにして下部食道括約筋が緩むことで胃へ食べ物が送り出されます。
通常はこの下部食道括約筋の働きにより、胃酸が食道へ逆流することはあまりありません。またもし多少逆流したとしても、飲み込まれた唾液や食物により胃内へ押し流されるため、症状を引き起こすまでは至りません。
ところが、この下部食道括約筋がうまく働かなかったり、胃酸の分泌が過剰になったり、胃の内圧が高くなるようなことになると、想定以上の胃酸が食道に逆流することになります。これにより逆流性食道炎の発症につながってきます。
逆流性食道炎の原因としては、以下のような様々な要因があります。
- ストレス
- 食べ過ぎ、早食い
- 過度のアルコール摂取
- 喫煙
- 肥満による胃の圧迫
- 猫背、加齢による背中の丸まり
- 食道裂孔ヘルニア(胃が一部食道の下部に飛び出す
- ピロリ菌除菌
食事や体勢に関してはなんとなく理解はできるかと思いますが、ピロリ菌除菌に関しては不思議に思われる方もいるかもしれません。
ピロリ菌に感染していると胃の粘膜が萎縮していき(萎縮性胃炎)、胃液や胃酸の分泌が減少します。つまり、ピロリ菌が感染している人は、胃酸の分泌が年々減っていくのです。ピロリ菌を除菌すると胃炎が徐々に改善していき、胃酸がまた分泌されるようになり、除菌された方全員ではありませんが、胸やけなどの症状が出現することがあります。
胸やけの原因が本当に逆流性食道炎なのかどうか、その他原因がないのかなど内視鏡で見てみないとわからないことがあるので、症状に応じてまずは内視鏡検査施行をご相談します。症状に関してはまずは生活習慣で改善点があればご提案致します。また並行して胃酸の分泌を抑える薬、食道や胃の機能の正常化を促す薬、食道粘膜保護薬などを使用して治療していきます。
最近なんとなく気になるなという方は一度ご相談くださいね。