(1)感染症
細菌感染症、結核、HIV、真菌(カビ)感染症、肝炎などで、体重減少を起こすことがあります。熱や寝汗、疲労感や咳、お腹の痛みや下痢など様々な症状があります。
(2)癌
疲労感や微熱、寝汗などの症状があります。食欲があまりないことも多いです。
(3)内分泌疾患(ホルモン分泌や代謝に関する病気)
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は汗がよく出る、暑がり、手のふるえ、動悸などの症状があります。 糖尿病では喉が渇く、大量に飲み物を飲む、尿の量が増えるなどがよくみられます。まれですが、強い疲労感などの訴えで副腎という臓器の働きが低下していることもあります。
(4)消化管の病気
悪性ではない、胃腸の病気が関連することがあります。胃や十二指腸に潰瘍ができる病気、腸が炎症を起こす病気(クローン病や潰瘍性大腸炎など)が考えられます。下痢やお腹の痛み、血が混ざった便が出るなどの症状があります。
(5)精神の病気
うつ病や摂食障害(食事を全然とらなくなってしまう拒食症)などで体重減少を起こすことがあります。何をしても気分が晴れない、体重が増えることへの恐怖、体重への強すぎるこだわりなどの症状があります。
(6)心臓の病気、腎臓の病気、肺の病気
慢性的な心不全(心臓の機能が落ちる病気)や腎不全(腎臓の機能が落ちる病気)は、体重減少を起こすこともあります。しかし、逆にむくみによって体重が増えることもあり、注意が必要です。 慢性閉塞性肺疾患(COPD)(タバコによってなりやすい肺の病気)は、息切れや呼吸が苦しいなどが主な症状ですが、栄養状態が悪い、呼吸をするときに使うエネルギーが増えることによって、体重減少となることがあります。
(7)アルコールや薬物
アルコール依存の人はエネルギーのほとんどをお酒からとるため、適切な栄養がとれずに体重が減りやすくなります。 その他、薬物の乱用や一部のハーブ製品、市販薬が原因になることもあります。また、普段病院から出してもらっているお薬の中でも、薬を飲み過ぎることにより副作用として体重減少がでることもあります。 タバコも体重減少の原因の1つです。
(8)歯が悪い、味覚がおかしい
歯の状態が悪い、歯周病や虫歯によって体重が減少することがあります。 亜鉛や鉄の低下は味覚がおかしくなることがあり、苦く感じる、美味しくないといった味覚の異常により食事の量が減って体重が減ることもあります。