ウイルス性胃腸炎
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスが代表的で、小児の下痢の原因は大半がウイルスの感染によるものです。 ノロウイルスは赤ちゃんからお年寄りまでの幅広い年齢層がかかるので、集団感染の恐れもあり十分な注意が必要となってきます。このウイルスの症状は、腹痛・下痢・吐き気・嘔吐・発熱・脱水症状が挙げられます。流行時期は秋の終わり頃~冬の中頃までで、発症期間は1~2日間ほどで治まります。症状がなくなった後も2週間も糞便中にウイルスを放出し続けるとされ、周囲への感染は要注意です。このため家族も十分手洗いすることを心掛けてください。 ロタウイルス経口感染で、乳幼児に多く認められ、下痢便が白色になることもあります。ロタウイルスは増殖力と感染力が強いウイルスで、わずか10~100個くらいのごく微量のロタウイルスが口から入ることで感染します。このウイルスの症状はノロウイルスと似ていますが、順序的に吐き気・嘔吐→腹痛・下痢(脱水)、または吐き気・嘔吐→頭痛・発熱といった流れになります。流行時期は冬の中頃~春先までで、潜伏期間は2~4日、発症期間は1~2週間という長期間におよびます。大人が感染した場合、排泄した下痢が白っぽくなりますが子供ほどの重症にはなりません。
・細菌性胃腸炎
乳児期以降の小児や成人では細菌感染が原因の急性胃腸炎にかかることがあります。 生卵や生肉の摂取によって感染が成立することから、食中毒の一種として捉えられることもあります。 原因となる細菌には、カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌などがあります。 厨房で調理する人や学校・家庭内に感染した人がいる場合、ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染します。 夏場に感染者が増える細菌性胃腸炎の原因となるカンピロバクター菌は、鳥類や犬・猫などのペットの腸に存在します。 鶏肉、生卵、牛肉などをしっかり過熱していなかったり、料理の際にまな板や手に細菌が付着していたりすることによって感染します。