潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起きる病気です。この病気の最大の特徴は、直腸(肛門付近)から炎症が起き、口側の大腸に連続的に広がる性質があることです。炎症の範囲が最も狭い方を直腸炎型、S状結腸〜下行結腸まで炎症が広がった方を左側大腸炎型、横行結腸よりさらに口側に炎症が広がった方を全大腸炎型と呼びます。症状は炎症の程度と範囲によって様々ですが、血便がでることが特徴的です。良くなったり、悪くなったりを繰り返す原因不明の慢性疾患で、わが国では指定難病に指定されています。
原因は明らかになっていません。これまでに腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは西洋型の脂肪分や肉類の多い食生活への変化の関与などが考えられていますが、まだ原因は不明です。潰瘍性大腸炎は家族内での発症も認められており、何らかの遺伝的因子が関与していると考えられています。欧米では患者さんの約20%に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎あるいはクローン病)の近親者がいると報告されています。近年、世界中の研究者によりこの病気の原因を含めた特異的な遺伝子の探索が続けられていますが、現時点では遺伝に関する明解な回答は得られていません。遺伝的要因と食生活などの環境要因などが複雑に絡み合って発病するものと考えられています。
貧血や炎症反応を確認するため、血液検査を行います。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)による検査で、炎症の状態や範囲を調べます。
また、内視鏡検査のときに組織を採取して顕微鏡で調べる病理検査(生検組織検査)を同時に行うこともあります。