1.胆石症
胆嚢がんの症例の50~75%に胆石を合併することが分かっており、結石による慢性的な炎症や胆汁成分の変化ががんを誘発すると考えられています。しかし、症状のない胆石(無症候性胆石)の場合には、長期間経過観察しても胆嚢がんの発生は少ないと考えられており、(5年間での発がん率は、0.3%と報告されている)、すぐに手術を行うのではなく、定期的な経過観察が勧められます。
2.胆嚢腺腫
胆嚢にできるポリープのうち、腺腫と呼ばれる腫瘍は将来的に悪性化する危険性が高いことが知られています。胆嚢に対しては、内視鏡的な組織検査ができないため、10ミリを超えてくる増大傾向のあるポリープや立ち上がりがなだらかなポリープは腺腫または、がんの可能性が高いため、手術適応と考えられます。
3.膵胆管合流異常症
膵管と胆管の合流形態の異常により、胆汁と膵液が胆管内で混ざりあう病態で、胆嚢がん発生のリスクが高いことが知られています。合流異常が見つかった場合、予防的に胆嚢摘出術が行われることがあります。