食中毒は種類により、原因もさまざまです。
食中毒
食中毒
食中毒とは、食中毒の原因となる細菌・ウイルス等が付着した食品や有害な物質が含まれた食品を食べることによっておこる健康被害をいいます。
有毒・有害物質には細菌やウイルスなどの微生物、寄生虫、キノコやフグなどの自然毒のほかにも、化学物質があります。
食中毒は種類により、原因もさまざまです。
細菌が原因となるもので、食中毒全体の約9割を占めます。
細菌が食べ物の中で作り出す毒素が体内に入ることによっておこります。
黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌などが原因です。
細菌が体内に入り、腸の中で増えたり毒素を作ったりすることによっておこります。
サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、ウェルシュ菌、腸管出血性大腸菌、赤痢菌などが原因です。
ウイルスが食品や飲料水を介して体内に入ることによっておこります。
ノロウイルス、A型肝炎ウイルスなどが原因です。
原虫などが食品や飲料水を介して体内に入ることによっておこります。原虫(クリプトスポリジウムなど)、真菌などが原因です。
有毒・有害な化学物質が食品や飲料水を介して体内に入ることによっておこります。重金属(鉛、カドミウムなど)、農薬などが原因です。
主に下痢、腹痛、おう吐などの急性の胃腸炎を起こします。
発熱や倦怠感など風邪のような症状を起こすこともあります。
症状の程度は原因物質の種類や量によって異なり、重症な場合には繰り返される下痢や嘔吐によって脱水状態に陥ることも多々あります。
食中毒が疑われたときは、次のような検査が行われます。
体内の炎症の強さや脱水また肝機能や腎機能の有無を調べるために血液・尿検査を行うのが一般的です。
腹痛、下痢、嘔吐などは食中毒以外にもさまざまな病気によって引き起こされる症状です。
そのため、レントゲン、CTなどの画像検査でそれらの症状を引き起こすほかの病気がないかを調べます。
便を採取して便の中に潜んでいるウイルスや細菌を特定する検査です。
食中毒の確定診断や治療方針を決めるうえでも重要な検査となります。
基本的には、お腹の調子を整える整腸剤や発熱を抑える解熱剤などを使用しながら症状が治まるのを待つ療法が行われます。
細菌類が原因の場合はそれぞれに合った抗菌薬を服用することもあります。
また、脱水症状がある場合は点滴治療が行われます。