B型肝炎の治療法は、急性と慢性で異なります。
急性B型肝炎の場合、多くは特別な治療をしなくても自然に治ることが多いです。主に安静にして肝臓の負担を減らし、症状に応じた対症療法が行われます。ただし、重症化した場合は入院治療が必要になることもあります。
慢性B型肝炎の治療は、以下のような方法があります。
抗ウイルス薬による治療
核酸アナログ製剤
エンテカビル、テノホビルなどの薬剤があります。これらはウイルスの増殖を抑える効果があり、長期間服用することでウイルス量を減らし、肝炎の進行を抑えます。
インターフェロン治療
体の免疫機能を高め、ウイルスと闘う力を強める薬です。注射で投与し、一定期間の治療で完治を目指します。ただし、副作用が強く出ることもあり、全ての患者さんに適しているわけではありません。
最近の研究では、核酸アナログ製剤の長期服用により、肝硬変や肝がんの発症リスクが大幅に低下することが分かっています。また、新しい治療薬の開発も進んでおり、今後さらに治療の選択肢が増えることが期待されています。
B型肝炎と診断された場合の日常生活での注意点には、以下のようなものがあります。
(1)規則正しい生活
十分な睡眠と休息を取り、ストレスを避けるよう心がけましょう。
(2)バランスの良い食事
肝臓に負担をかけないよう、脂っこい食事や過度のアルコール摂取は避けましょう。特にアルコールは肝臓に大きな負担をかけるため、B型肝炎の患者さんは禁酒が原則です。
(3)適度な運動
無理のない範囲で適度な運動を行うことは、健康維持に役立ちます。ただし、疲れを感じたらすぐに休息を取りましょう。
(4)定期的な通院
医師の指示に従って定期的に通院し、検査や治療を受けることが重要です。薬を自己判断で中止することは避けてください。
(5)感染予防
家族や親しい人への感染を防ぐため、かみそりや歯ブラシの共用は避け、血液が付いた場合は速やかに消毒しましょう。
(6)予防接種
家族や同居者で、まだB型肝炎ウイルスに感染したことがない人は、予防接種を検討しましょう。
B型肝炎と上手に付き合いながら、充実した日常生活を送ることは十分に可能です。不安なことがあれば、遠慮なく医師や医療スタッフに相談してください。